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上水道の引込管の仕組みとは?メーター設置や維持管理の流れも解説

不動産知識

杉浦 雅大

筆者 杉浦 雅大

不動産キャリア23年

・大手不動産仲介業者で23年間の仲介実績
・自身での不動産売買経験も4回
・取り扱い物件:名古屋市内、愛知県全域での自宅から商業地ビルまで
・前職大手不動産会社での全国表彰回数は26回!
この経験を活かしお客様のお悩みを解消していきます。

水道から安全な水が供給されるためには、上水道と呼ばれる仕組みが欠かせません。しかし、「引込管」や「水道メーター」など、普段目にしない部分の構造や役割について詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、上水道の基本構造から引込管・メーターの仕組み、維持管理のポイントまで分かりやすく解説します。ご自宅の水道設備を安全に使い続けるための知識として、ぜひご一読ください。

上水道の基本構造と役割

上水道は、私たちの生活に欠かせない安全な飲料水を供給するためのシステムです。川や湖などの水源から取水し、浄水場で不純物を除去・殺菌処理を行った後、各家庭や施設へと届けられます。この一連の流れを支えるのが、上水道の基本構造です。

上水道の主要な構成要素には、以下のものがあります。

  • 配水管:浄水場から各地域へ水を供給するための管路で、道路下に網目状に敷設されています。主に口径200mm以上の太い管が使用され、水圧を均等に保つ役割を果たします。
  • 給水管:配水管から分岐し、各家庭や建物に水を供給する管です。一般的に口径13mmから25mm程度の管が使用され、建物の規模や必要な水量に応じて選定されます。
  • 引込管:配水管から給水管へ水を引き込むための管で、給水管の一部として機能します。材質には、耐久性に優れたステンレス鋼管やポリエチレン管などが用いられます。

各構成要素の役割と機能をまとめると、以下の表のようになります。

構成要素 役割 主な材質
配水管 浄水場から各地域へ水を供給 ダクタイル鋳鉄管、鋼管など
給水管 配水管から各家庭や建物へ水を供給 ステンレス鋼管、ポリエチレン管など
引込管 配水管から給水管へ水を引き込む ステンレス鋼管、ポリエチレン管など

これらの構成要素が連携することで、私たちは日常的に安全で清潔な水を利用することができるのです。

引込管の仕組みと種類

引込管は、配水管から各家庭や建物へ水を供給するための重要な役割を果たします。この管を通じて、安全で清潔な水が私たちの生活空間に届けられます。引込管の材質や口径の選定、設置方法には、さまざまな要素が関係しています。

引込管の材質には、以下のような種類があります。

材質 特徴 主な用途
ダクタイル鋳鉄管 強靭性と耐食性に優れ、地震時の揺れにも柔軟に対応可能。 主に配水管や幹線管路に使用。
ステンレス鋼管 耐久性、耐食性、耐熱性に優れ、サビに強く衛生的。 給水管や食品工業など多用途に使用。
水道用ポリエチレン管 耐衝撃性、耐震性、耐候性に優れ、柔軟で施工が容易。 一般住宅の給水管として広く使用。
耐衝撃性ビニル管 低温時でも耐衝撃性が高く、軽量で施工が容易。 給排水、上下水道、農業など幅広い分野で使用。

引込管の口径は、建物の規模や使用水量に応じて選定されます。一般的な住宅では、25mmから50mmの口径が多く採用されています。口径の選定は、水圧や流量を適切に保つために重要です。

設置方法としては、まず配水管から分岐し、引込管を敷設します。この際、地盤の状況や他の地下埋設物との位置関係を考慮し、適切な深さと勾配で施工することが求められます。また、接続部の漏水防止や保温対策も重要なポイントです。

引込管の設置においては、以下の点に注意が必要です。

  • 材質選定:使用環境や耐久性を考慮し、適切な材質を選ぶ。
  • 口径選定:建物の使用水量に応じた口径を選定する。
  • 施工方法:地盤状況や他の埋設物を考慮し、適切な深さと勾配で敷設する。
  • 保守管理:定期的な点検とメンテナンスを行い、漏水や劣化を早期に発見する。

これらのポイントを押さえることで、引込管の長期的な安全性と機能性を確保することができます。

水道メーターの機能と設置

水道メーターは、家庭や事業所で使用する水量を正確に計測し、料金算定の基礎となる重要な装置です。適切な設置と管理が求められます。

水道メーターの役割と重要性

水道メーターは、使用水量を正確に測定し、水道料金の公平な請求を可能にします。また、漏水の早期発見にも役立ち、無駄な水の消費を防ぐ役割も果たします。

水道メーターの種類と特徴

主な水道メーターの種類とその特徴を以下の表にまとめました。

種類 特徴 適用範囲
羽根車式 羽根車の回転数で水量を測定。構造がシンプルで耐久性が高い。 一般家庭や小規模事業所
電磁式 水の流れによる電磁誘導を利用。可動部がなく、広範囲の流量を高精度で測定可能。 大規模施設や工業用途
超音波式 超音波の伝播時間差で流量を測定。高精度で長寿命。 高精度が求められる施設

水道メーターの設置場所と注意点

水道メーターの設置場所は、検針やメンテナンスのしやすさを考慮し、以下の点に注意して選定します。

  • 屋外設置:道路境界線に近い敷地内で、点検や取替作業が容易な場所を選びます。地中に設置する場合は、メーターボックスを使用し、外部からの衝撃や汚水の流入を防ぎます。
  • 屋内設置:寒冷地では凍結防止のため、床下や配管スペースなど室内に設置することがあります。検針やメンテナンス時のアクセスを考慮し、適切な場所を選定します。

設置時の注意点として、以下が挙げられます。

  • 取付姿勢:羽根車式メーターは、表示部が上向きの水平設置が基本です。誤った姿勢での設置は、計測精度の低下や故障の原因となります。
  • 配管内の満水状態:メーター内の配管は常に満水状態を保つ必要があります。空気が混入すると正確な計測ができなくなるため、設置時には注意が必要です。
  • 環境条件:強い振動や電磁場の影響を受ける場所は避け、安定した環境で設置することが望ましいです。

適切な水道メーターの選定と設置は、正確な水量計測と水道設備の長寿命化に直結します。専門業者と相談し、最適なメーターを選び、正しい方法で設置することが重要です。

引込管と水道メーターの維持管理

上水道の引込管と水道メーターは、家庭や建物に安全で清潔な水を供給するための重要な設備です。これらの適切な維持管理は、日常生活の快適さを保つだけでなく、予期せぬトラブルを未然に防ぐためにも欠かせません。

まず、引込管と水道メーターの定期的な点検とメンテナンスの重要性について説明します。これらの設備は、経年劣化や外的要因によって損傷を受ける可能性があります。例えば、配管の老朽化により水漏れが発生したり、メーターの故障で正確な水量測定ができなくなることがあります。定期的な点検を行うことで、これらの問題を早期に発見し、適切な対応を取ることが可能となります。

次に、引込管や水道メーターに発生しやすいトラブルとその対処法を紹介します。以下の表に主なトラブルと対処法をまとめました。

トラブル 原因 対処法
水道管の凍結 低温による水道管内の水の凍結 保温材を巻く、夜間に少量の水を流す
水漏れ 配管の老朽化や接続部の緩み 定期的な点検と早期修理
メーターの故障 経年劣化や異物の詰まり 専門業者による点検と交換

最後に、適切な維持管理を行うためのポイントや専門業者への相談方法を解説します。日常的に水道設備の状態を観察し、異常を感じた場合は速やかに専門業者に相談することが重要です。特に、築年数が経過した建物では、配管の劣化が進んでいる可能性が高いため、定期的な専門業者による点検を受けることをおすすめします。専門業者を選ぶ際は、実績や評判を確認し、信頼できる業者を選定することが大切です。

引込管と水道メーターの適切な維持管理は、安心で快適な生活を送るための基盤となります。日頃からの注意と定期的なメンテナンスを心がけましょう。

まとめ

上水道の引込管や水道メーターについて理解することで、水の供給のしくみや日々の暮らしで気を付けるポイントが見えてきます。引込管やメーターは安心して水を使うために不可欠な設備であり、定期的な点検や適切な管理が長く快適な生活の鍵を握ります。身近な設備だからこそ、専門家のサポートも活用しながら、しっかりとした維持管理を心がけましょう。小さな疑問もひとつずつ解決することが大切です。

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この記事の執筆者

このブログの担当者 杉浦

◇不動産キャリア:23年

◇保有資格:宅地建物取引士・日商簿記2級・大型自動二輪

◇大手不動産仲介業者で23年間の仲介実績に加え、自身での不動産売買経験も4回と経験豊富です。取り扱い物件は、名古屋市内、愛知県全域での自宅から商業地ビルまで多岐にわたります。前職大手不動産会社での全国表彰回数は26回!この経験を活かしお客様のお悩みを解消していきます。お気軽にご相談ください。

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