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リースバックの仕組みをわかりやすく解説!利用前に知っておきたい基本情報

不動産知識

熊澤 直也

筆者 熊澤 直也

不動産キャリア8年

・大手IT企業で7年間、大手不動産仲介会社で8年間勤務
・名古屋市内、愛知県北部を中心に豊富な成約実績
・前職大手不動産会社での全国表彰回数は2回
・自身での不動産売買経験も5回
自身の経験をもとに良かった点、住み替えで失敗した点を踏まえ、最適なご提案をさせていただきます。

「リースバック」という言葉を聞いたことはありますか?住宅や不動産を所有したまま現金化し、さらにその家に住み続けることができる方法として近年注目されています。しかし、仕組みやメリット・デメリットを理解せずに検討すると、思わぬトラブルにつながることも。本記事では、リースバックの基本から利用時の注意点までをわかりやすく解説します。リースバックを検討中の方はぜひ参考にしてください。

リースバックとは?基本的な仕組みをわかりやすく解説

リースバックとは、自宅を売却した後も同じ家に住み続けられる仕組みです。具体的には、所有する不動産を不動産会社などに売却し、その後、買主と賃貸借契約を結ぶことで、売却後も賃貸として住み続けることが可能となります。

この方法は、まとまった資金を得たいが、生活環境を変えたくない方に適しています。例えば、急な資金需要が生じた際や、老後資金の確保を目的とする場合などに利用されます。

リースバックの主な特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 所有権の移転:売却により不動産の所有権は買主に移りますが、賃貸契約を結ぶことで引き続き住み続けられます。
  • 資金の確保:売却代金を一括で受け取ることができ、資金用途は自由です。
  • 固定資産税等の負担軽減:所有権が移転するため、固定資産税や都市計画税などの負担がなくなります。

リースバックと他の資金調達方法との違いを以下の表にまとめました。

項目 リースバック リバースモーゲージ
所有権 買主に移転 本人が保持
資金の受け取り方法 売却代金を一括で受け取る 融資として分割で受け取る
住み続ける権利 賃貸契約に基づく 所有者として住み続ける

近年、リースバックが注目される背景には、高齢化社会の進展や、老後資金の確保、住宅ローンの返済負担軽減などがあります。特に、住み慣れた自宅に住み続けながら資金を得られる点が、多くの方にとって魅力的とされています。

リースバックのメリットとデメリットを理解しよう

リースバックは、自宅を売却してもそのまま住み続けられる仕組みです。資金調達の手段として注目されていますが、利用する前にそのメリットとデメリットをしっかり理解することが重要です。

まず、リースバックの主なメリットを見ていきましょう。

メリット 説明
住み続けられる 自宅を売却しても、賃貸契約を結ぶことで引っ越しせずに住み慣れた環境を維持できます。
資金調達が可能 自宅を売却することで、まとまった資金を短期間で手に入れることができます。
維持費の軽減 所有権が移るため、固定資産税や修繕費などの維持費の負担が軽減されます。

一方、リースバックには以下のようなデメリットも存在します。

デメリット 説明
売却価格の低下 市場価格よりも低い価格での売却となる傾向があります。
家賃負担 売却後は賃貸契約となるため、家賃の支払いが必要です。
契約期間の制限 契約期間が限定されている場合があり、更新ができないケースもあります。

これらのメリットとデメリットを比較し、リースバックが適しているケースを考えてみましょう。

例えば、急な資金が必要であり、かつ住み慣れた自宅から離れたくない場合、リースバックは有効な手段となります。しかし、将来的に自宅を買い戻したいと考えている場合、売却価格や買い戻し価格、契約内容を慎重に検討する必要があります。

また、家賃の支払い能力や契約期間終了後の住居計画も重要なポイントです。リースバックを検討する際は、これらの要素を総合的に考慮し、自身の状況に最適な選択をすることが大切です。

リースバックの利用条件と注意点

リースバックを検討する際には、利用条件や契約内容を十分に理解し、注意点を把握することが重要です。以下に、主な利用条件と注意点を解説します。

リースバックを利用するための主な条件

リースバックを利用するためには、以下の条件を満たす必要があります。

条件 詳細
住宅ローンの残債 売却価格で住宅ローンを完済できることが求められます。売却価格が残債を下回るオーバーローンの場合、リースバックの利用が難しくなることがあります。
家賃支払い能力 売却後の賃貸契約において、家賃を継続的に支払える経済的能力が必要です。家賃保証会社の審査に通過することが求められる場合もあります。
物件の状態 物件に重大な瑕疵がないこと、建築基準法を満たしていることが必要です。違法建築や事故物件などは、リースバックの対象外となることがあります。
共有名義人の同意 物件が共有名義の場合、全ての名義人の同意が必要です。名義人全員の署名・捺印が求められます。

契約内容で注意すべきポイント

リースバック契約を締結する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 賃貸契約の種類と期間:契約が普通借家契約か定期借家契約かを確認し、契約期間や更新の可否を把握しておくことが重要です。
  • 家賃の設定:家賃が市場相場と比較して適正であるか、また自身の支払い能力に見合っているかを確認しましょう。
  • 買い戻しオプション:将来的に物件を買い戻す予定がある場合、その条件や価格を契約書に明記しておくことが必要です。
  • 修繕費の負担:物件の修繕費用の負担者を契約書で明確にし、後々のトラブルを防ぐようにしましょう。

リースバック利用時のトラブル事例と回避方法

リースバック利用時には、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。事前に対策を講じることで、リスクを軽減できます。

  • 買い戻しに応じてもらえない:口約束ではなく、買い戻し条件を契約書に明記し、双方の合意を文書化しておくことが重要です。
  • 修繕費の負担で揉める:修繕費用の負担者を契約書で明確にし、特約事項として記載しておくことで、後のトラブルを防げます。
  • 相続人とのトラブル:リースバックを利用する前に、相続予定者と十分に話し合い、同意を得ておくことが望ましいです。

リースバックを利用する際は、これらの条件や注意点を十分に理解し、信頼できる不動産会社と相談しながら進めることが大切です。

リースバックを検討する際の具体的なステップ

リースバックを利用する際には、以下のステップを踏むことが重要です。各段階でのポイントを押さえ、スムーズな手続きを目指しましょう。

1. リースバック業者への相談から契約までの一般的な流れ

リースバックの手続きは、以下のような流れで進行します。

ステップ 内容 ポイント
① 相談・査定依頼 リースバック業者に連絡し、物件の査定を依頼します。 複数の業者に依頼し、条件を比較することが重要です。
② 査定結果の確認 業者から提示された査定額や条件を確認します。 買取価格や家賃、契約条件を詳細にチェックしましょう。
③ 契約内容の交渉 提示された条件に納得できない場合、交渉を行います。 自分の希望や優先順位を明確に伝えることが大切です。
④ 契約締結 条件に合意したら、正式に契約を締結します。 契約書の内容を十分に理解し、疑問点は解消しておきましょう。
⑤ 売却代金の受領 契約に基づき、売却代金を受け取ります。 資金計画に基づき、適切に活用しましょう。
⑥ 賃貸借契約の開始 売却後も引き続き物件に居住します。 家賃の支払いや契約期間を遵守することが求められます。

2. リースバック業者選びのポイントと信頼性の確認方法

適切なリースバック業者を選ぶためには、以下の点に注意しましょう。

  • 実績や信頼性の確認:業者の過去の取引実績や経営状況を調査し、信頼できるか判断します。
  • 契約内容の透明性:契約条件が明確で、疑問点に丁寧に答えてくれる業者を選びましょう。
  • サービス内容やサポート体制:相談時の対応やアフターサポートが充実しているかを確認します。
  • 複数社の比較:複数の業者から見積もりを取り、条件を比較検討することが重要です。

3. リースバック後の生活設計や資金計画の立て方

リースバック後の生活を安定させるためには、以下の点を考慮した計画が必要です。

  • 家賃の支払い計画:毎月の家賃が生活費に与える影響を考慮し、無理のない支払い計画を立てましょう。
  • 資金の活用方法:売却で得た資金の使途を明確にし、無駄遣いを避けるための計画を立てます。
  • 将来の買戻し計画:将来的に物件を買い戻す予定がある場合、そのための資金計画や貯蓄計画を早めに立てておくことが重要です。
  • 税務上の対応:リースバックに伴う税金の申告や控除について、専門家に相談し、適切な手続きを行いましょう。

これらのステップを踏むことで、リースバックを有効に活用し、安定した生活を維持することが可能となります。慎重に計画を立て、信頼できる業者と契約を結ぶことが成功の鍵となります。

まとめ

リースバックは、自宅に住み続けながら資金を調達できる新しい方法として注目されています。その仕組みはシンプルですが、メリットだけでなく、売却価格や家賃負担などのデメリットも存在します。利用には住宅ローンの残高や家賃支払い能力など一定の条件があり、契約内容や業者選びにも注意が必要です。リースバックを成功させるには、事前にしっかりと情報を集め、無理のない生活設計を立てることが大切です。選択肢の一つとして検討する際の参考にしてください。

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この記事の執筆者

このブログの担当者 熊澤

◇不動産キャリア:8年

◇保有資格:宅地建物取引士・測量士補・基本情報技術者/応用情報技術者

◇大手IT企業で7年、大手不動産仲介会社で8年間、名古屋市内、愛知県北部を中心に豊富な成約実績がございます。前職大手不動産会社での全国表彰回数は2回。 自身での不動産売買経験も5回あり、良かった点、住み替えで失敗した点もございます。その経験をもとに最適なご提案をさせていただきます。

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