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中古マンションのリフォームはどこまでできる?できることできないことを所有者目線で解説

不動産知識

熊澤 直也

筆者 熊澤 直也

不動産キャリア10年

・大手IT企業で7年間、大手不動産仲介会社で8年間勤務
・名古屋市内、愛知県北部を中心に豊富な成約実績
・前職大手不動産会社での全国表彰回数は2回
・自身での不動産売買経験も5回
自身の経験をもとに良かった点、住み替えで失敗した点を踏まえ、最適なご提案をさせていただきます。

今の中古マンションを、もっと暮らしやすくしたい。
けれど実際には、リフォームはどこまでできるのか、管理規約で何が制限されるのか、気になる方は多いはずです。
専有部分と共用部分の違いを正しく理解しないまま工事を進めてしまうと、あとからやり直しになったり、思わぬトラブルにつながるおそれもあります。
この記事では、すでに所有している中古マンションを前提に、できるリフォームとできないリフォームの線引き、注意したいポイントを整理してお伝えします。

中古マンションのリフォームでどこまでできる?基本の考え方

中古マンションでリフォームを行う際は、まず「専有部分」と「共用部分」の境界を理解することが大切です。
国土交通省が示す標準的な考え方では、住戸内部の壁や床、天井の内側など、区分所有権が及ぶ範囲が専有部分とされます。
一方で、躯体コンクリートや梁、柱、外壁、共用廊下と一体になった玄関ドアや窓サッシなどは共用部分に分類されるのが一般的です。
所有者が自由にリフォームできるのは、原則として専有部分に限られ、共用部分については管理組合の権限が強いという点を押さえておく必要があります。

次に確認したいのが、各マンションごとに定められている管理規約や使用細則です。
国土交通省のマンション標準管理規約では、専有部分であっても、床材の遮音性能や工事方法などについて管理規約で細かなルールを定めることができるとされています。
床のフローリング張替えに際して遮音等級の指定があったり、防音性能を確保するために下地構造を変更できないといった制限が設けられることがあります。
また、共用部分と一体の窓サッシは交換が認められず、内側に内窓を追加する方法で断熱や防音性能を高めるといった対応が推奨される場合もあります。

「どこまで変えるか」を考えるうえでは、「リフォーム」と「リノベーション」の違いも整理しておくと判断しやすくなります。
一般にリフォームは、老朽化した内装や設備を新しくし、現状の間取りや性能を維持または回復させる工事を指すことが多いとされています。
これに対してリノベーションは、間取り変更や配管・配線計画の見直しなどを通じて、住戸全体の機能や価値を高めるような、より大きな改修を含む概念として用いられることが一般的です。
ただし、中古マンションの場合でも、専有部分の範囲内であれば間取りや内装を大きく変えるリノベーションも可能なことが多く、最終的には管理規約と建物構造の条件を踏まえて検討していくことが重要です。

所有中の中古マンションで「できる」リフォーム内容一覧

所有中の中古マンションで実現しやすいリフォームとして、まず挙げられるのが間取り変更です。
ただし、すべての壁を自由に撤去できるわけではなく、建物を支える耐力壁や梁、スラブなどの構造躯体は共用部分として扱われるのが一般的です。
国土交通省の資料でも、柱や梁、壁、スラブといった構造躯体は共用部分とされており、区分所有者が勝手に変更することは認められていません。
間取り変更を検討する際は、構造壁かどうか、配管や電気配線が通っていないかを事前に確認し、管理規約とあわせて計画することが大切です。

水回りのリフォームについては、設備交換は比較的行いやすい一方で、位置変更には一定の制約があることが多いです。
キッチンや浴室、トイレなどの給排水設備は、床下の配管や縦方向の共用配管との関係で移動距離に限界が生じる場合があります。
特に、パイプスペース内の縦管は共用部分と位置付けられるのが一般的であり、勝手な移動や撤去は認められません。
水回りのレイアウト変更を検討する場合は、管理規約の設備に関する記載や、上下階住戸との位置関係を踏まえたうえで、現実的な範囲を見極めることが重要です。

一方で、専有部分として比較的自由に手を加えやすいのが、床・壁・天井の仕上げや室内の収納、玄関ドア内側などの内装です。
国土交通省の改修マニュアルでも、住戸内の仕上げ材や設備機器は専有部分とされており、所有者の裁量で模様替えしやすい範囲に含まれます。
ただし、床材については遮音性能に関する基準を設けている管理規約も多く、防音性能の等級を指定されているケースもあるため、採用可能な床材かどうかの確認が必要です。
このほか、室内建具の交換や造作収納の設置、玄関ドア内側の塗装やシート貼りなどは、管理規約に反しない範囲であれば、暮らしやすさを高めるために取り入れやすいリフォームといえます。

所有者が注意すべき「できない」「制限される」リフォーム

バルコニーや窓サッシ、玄関ドアの外側などは、建物全体で共有する共用部分とされています。
多くの分譲マンションでは、所有者の判断だけで色や形状、仕上げを変更することは認められていません。
共用部分は、避難経路や外観、耐久性などに影響するため、個別の好みよりも建物全体の安全性と資産価値の維持が優先されます。
この点を理解しないまま工事を進めると、原状回復を求められるおそれがあります。

次に、躯体コンクリートに大きな穴をあける工事や、構造壁を削るような工事は、建物の強度や耐震性に影響するため、原則として禁止または厳しく制限されています。
給排水管やガス管の経路を大きく変更する工事も、漏水や事故の危険性が高まることから、管理規約や工事細則で細かく条件が定められていることが一般的です。
見た目の変化が小さい工事でも、構造や設備に関わる部分に手を加える場合は、専門的な確認が欠かせません。
安全性を損なうおそれがある内容は、そもそも許可されないことも多いです。

さらに、専有部分の工事であっても、一定規模以上の間取り変更や床の張り替え、水回り設備の交換などは、管理組合への事前申請や承認が必要とされることがあります。
申請を行わずに工事をすると、工事の中止や仕様変更、場合によっては原状回復を求められ、費用負担が大きくなる可能性があります。
工事内容によっては、上下左右の住戸への騒音や振動、漏水リスクにもつながるため、管理組合は慎重に審査を行います。
このため、工事を検討する段階で、必要な申請書類や手続きの有無を早めに確認しておくことが大切です。

中古マンション所有者がリフォーム前に必ず確認したいポイント

まず確認したいのは、管理規約と使用細則で定められた工事ルールです。
国土交通省が示すマンション標準管理規約でも、専有部分の工事であっても管理組合への事前届出を求める考え方が一般的とされています。
長期修繕計画を確認すると、近い将来に予定されている大規模修繕と重ならないよう工事時期を調整しやすくなります。
さらに、設計図書や配管経路の図面を確認し、水回りの移動や間取り変更の可否を判断することが大切です。

次に、工事中の近隣トラブルを避けるためのマナーも重要です。
建設工事に伴う騒音や振動については、騒音規制法や各自治体の条例に基づき時間帯や作業内容が規制されることがあります。
そのため、管理規約で定められた工事可能時間とあわせて、施工業者と具体的な作業スケジュールを共有しておくことが大切です。
また、工事前に上下左右の住戸へあいさつと工事内容、期間の説明を行うことで、生活音や振動への理解を得やすくなります。

リフォーム前には、資金計画を具体的に整理しておく必要があります。
一般に、水回り設備交換は数十万円から、間取り変更を伴う工事は数百万円規模になることもあるため、希望する内容に優先順位を付けて検討することが大切です。
そのうえで、自己資金だけでなく、住宅金融支援機構などが案内しているリフォーム融資の利用可否を含め、返済計画を無理のない範囲で組み立てます。
工事中の予期せぬ追加費用に備え、見積額の一定割合を予備費として確保しておくと安心です。

まとめ

中古マンションのリフォームは、専有部分と共用部分の違いを押さえれば、できることが見えやすくなります。
管理規約や図面を確認し、構造や安全性に影響する工事かどうかを見極めることが大切です。
一方で、床・壁・天井や水回り設備交換など、工夫次第で暮らしやすさを大きく高められる工事も多くあります。
「自分のマンションではどこまでできるのか」「予算内でどこに優先的にお金をかけるべきか」など、具体的なご相談も承っています。
所有中の中古マンションを、今よりもっと快適な住まいにしたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事の執筆者

このブログの担当者 熊澤

◇不動産キャリア:8年

◇保有資格:宅地建物取引士・測量士補・基本情報技術者/応用情報技術者

◇大手IT企業で7年、大手不動産仲介会社で8年間、名古屋市内、愛知県北部を中心に豊富な成約実績がございます。前職大手不動産会社での全国表彰回数は2回。 自身での不動産売買経験も5回あり、良かった点、住み替えで失敗した点もございます。その経験をもとに最適なご提案をさせていただきます。

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